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レジオネラ属菌について

レジオサーチとは

レジオネラ症は、レジオネラ属菌による感染症であり、重篤で時には死者が出る肺炎型(レジオネラ肺炎)と比較的軽症なポンティアック熱型があります。レジオネラ症のリスクグループは、高齢者や新生児、免疫力の低下をきたす基礎疾患を有するヒトです。

レジオサーチの効果

1976年、米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人(Legionnaire)会の大会において、原因不明の肺炎が多発(221人の患者)し、34人が亡くなりました。

その後、患者から分離された菌は、レジオネラ・ニューモフィラと名づけられ、大会会場に近い建物の冷却塔から飛散した微粒子(エアロゾル)に含まれていたものと推測されました。

レジオサーチの性能一例

レジオネラ属菌は、通常、沼や河川などの水中や湿った土壌中などに存在する自然環境中の細菌です。
繁殖温度は、36℃前後が最適ですが、20~50℃で繁殖します。
レジオネラ属菌は通性細胞内寄生性があり、アメーバ(原生動物)など他の生物の細胞内に寄生して大量に増殖(アメーバ1個体当り、1000個にも)します。

空調施設の冷却塔の水、循環式浴槽水、給湯器の水などの人工温水中に生息するアメーバに寄生して、これらの水から発生したエアロゾルを介して、ヒトに経気道感染します。

従来の検査方法との違い

過去の大きな集団感染事例としては、2000(平成12)年3月に静岡県内の温泉循環浴槽水を発生源に、患者23名・死亡2名の報告がありました。2002(平成14)年7月には、宮崎県の循環式温泉入浴施設を発生源に、患者297名・死亡7名の報告がありました。

従来の検査方法との違い

1.レジオネラ症発生時の対応の例

1)1999(平成11)年4月:施行「感染症法」(全臨床医に届出義務のある第4類感染症となった。)

2)2002(平成14)年9月:厚労省健康局結核感染症課長通知「レジオネラ症患者発生時の対応について」
(当該施設での検体採取と使用中止の要請・指導を含む)

2.レジオネラ症防止の関連法規の例

1)1999(平成11)年11月:厚生省生活衛生局長通知「建物等におけるレジオネラ症防止対策について」

2)2000(平成12)年12月:厚生省生活衛生局長通知「公衆浴場における衛生管理要領等について」

3)2001(平成13)年9月:厚労省健康局生活衛生課長通知「循環式浴槽におけるレ ジオネラ症防止対策マニュアル」

4)2003(平成15)年 7月:厚労省告示「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」

従来の検査方法との違い

(以下の概要はあくまでも参考であり、詳細は必ず本指針をご確認ください)

1.基本的な対策

  • レジオネラ属菌が繁殖しやすい状況をできるだけなくし、これを含むエアロゾルの飛散を抑制する措置を講ずること。

2.入浴設備の衛生上の措置

  • レジオネラ属菌は、生物膜に生息する微生物等の中で繁殖し、消毒剤から保護されるため、ろ過器及び浴槽水が循環する配管内などに付着する生物膜の生成を抑制し、その除去を行うことが必要。
  • ろ過器を設置している浴槽では、塩素系薬剤の注入口・投入口をろ過器に入る直前に設置し、ろ過器内の生物膜生成を抑制すること。
  • 温湯が60℃に満たない貯湯槽には、60℃以上に保つ加熱装置などを設置するなど、槽内でレジオネラ属菌が繁殖しないようにすること。
  • 回収槽の水を浴用に供することは避けること、やむをえない場合は消毒・清掃が容易に行えるように回収槽を設置すること。
  • 打たせ湯及びシャワーには、循環している浴槽水を用いないこと。

3.維持管理上の措置

  • 浴槽水は少なくとも1年に1回以上、水質検査を行い、レジオネラ属菌に汚染されていないか否かを確認すること。
  • 浴槽水は毎日完全に換えることが原則であり、最低でも1週間に1回以上完全に換えること。
  • 1週間に1回以上、ろ過器内に付着する生物膜等を逆洗浄等で物理的に十分排出すること。浴槽水が循環している配管内に付着する生物膜も、適切な洗浄方法で除去すること。
  • 浴槽水の消毒では、塩素系薬剤を使用する場合、遊離塩素濃度は頻繁に測定して、記録し、通常、0.2~0.4mg/L程度に保ち、最大で1.0mg/Lを超えないように努めるなど、適切に管理すること。

4.空気調和設備の冷却塔における衛生上の措置

  • 冷却水中の炭酸カルシウムやケイ酸マグネシウム等の塩類が濃縮されたスケールが析出し、微生物が付着しやすい環境を醸成する。また、日射・酸素の供給・大気への開放など微生物や藻類の繁殖に好適な環境であるため、レジオネラ属菌が繁殖しやすい環境にもなっている。
  • 冷却塔の使用開始時及び使用期間中は、1月以内ごとに1回、定期的に冷却塔及び冷却水の汚れの状況を点検し、1年に1回以上清掃及び完全換水を実施すること。
  • 必要に応じて殺菌剤等を冷却水に加えて、微生物や藻類の繁殖を抑制すること。

5.給湯設備における衛生上の措置

  • 給湯設備においては、湯温の制御がレジオネラ属菌による汚染の防止に最も重要となる。(貯湯槽内の湯温が60℃以上、末端の給湯栓で55℃以上)
  • 貯湯槽等に滞留している湯水を定期的に排水すると共に、1年に1回以上、貯湯槽等の清掃を実施すること。

以上

<参考情報>
国立感染症研究所 感染症情報センター発行:①IASR;病原微生物検出情報 ②IDWR;感染症発生動向調査 週報
厚生労働省ホームページ

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